未病から考える健康 ― 健康を「流れ」として生きる(第5回)

健康とは何か ― 調和という視点から

はじめに

これまでの記事では、

  • 未病とはどのような状態か
  • 未病はなぜ起こるのか
  • 未病はどのように回復するのか

について見てきました。

ここまで読むと、
次の疑問が浮かんでくるかもしれません。

では、健康とは何なのでしょうか。

私たちは普段、健康を
「病気ではない状態」と考えがちです。

しかし未病という考え方を見ると、
もう少し違った見方が必要になります。

健康は「病気がないこと」だけではない

多くの場合、健康は次のように理解されています。

  • 病気がない
  • 検査値が正常
  • 症状がない

確かにこれらは健康の大切な要素です。

しかし実際には、

  • 検査では異常がない
  • それでも体調が整わない

という状態もあります。

これが、これまで見てきた
未病の状態です。

このことから分かるのは、

健康とは単に
病気がないことだけでは説明できない

ということです。

体は多くの働きの協調で成り立っている

人の体の中では、
さまざまな働きが同時に行われています。

例えば、

  • 自律神経の働き
  • 血液の循環
  • 体温の調整
  • 免疫の働き
  • 代謝

これらはそれぞれ独立しているわけではなく、
互いに影響し合いながら働いています。

体調が整っているときは、
これらの働きがうまく協調しています。

健康とは「調和」の状態

東洋医学では、
このような体のあり方を

調和

という言葉で表します。

ここで言う調和とは、

体のさまざまな働きが
互いに支え合いながら整っていること

を意味します。

健康とは、

体のさまざまな働きが
バランスよく協調していること

とも言えます。

一つの働きだけが良くても、
全体のバランスが崩れていれば、
体調は整いません。

健康とは、

体全体の調和が保たれている状態

なのです。

調和とは、固定された状態ではない

ただし、この調和は
いつも同じ形で保たれているわけではありません。

人の体は常に変化しています。

  • 忙しい日もある
  • 疲れる日もある
  • 環境が変わることもある

そのたびに、体は調整を行っています。

健康とは、

まったく揺らがない状態ではなく、

変化の中で調和が保たれ続ける状態

と言えるでしょう。

未病とは調和の揺らぎ

ここで、未病の意味も見えてきます。

未病とは、

体の調和が少し揺らぎ、
回復が追いつきにくくなっている状態

とも言えます。

まだ大きく崩れてはいないけれど、
どこか整っていない。

その小さな変化が、

  • 疲れやすい
  • 体調が安定しない
  • 不調が続く

といった形で現れます。

健康は整い続けるもの

健康は、一度手に入れれば
そのまま続くものではありません。

生活や環境の変化の中で、
体の状態は常に変わります。

そのため健康とは、

管理して固定するものというより、
日々整え続けていくもの

とも言えます。

体の小さな変化に気づきながら、
生活を整え、回復を助けていく。

その積み重ねが、
健康を支えています。

健康を見るもう一つの視点

未病という考え方は、

健康を
「あるかないか」で判断するのではなく、

どのように整っているか
という視点で見るものです。

体の状態はいつも少しずつ揺れています。

その揺れに気づきながら、
調和を整えていくことが、

健康を保つことにつながります。

では、このような調和は、
日々の生活の中で
どのように保たれているのでしょうか。

次回は、
心と体、そして生活の関係から
健康を考えてみたいと思います。

第6回(生活の中の健康)を読む→

シリーズ構成

第1回│寒暖差疲労はなぜ起こるのか ― 未病という視点から
第2回│未病とは何か ― 体からの小さなサイン
第3回│未病はなぜ起こるのか ― 未病の背景にある3つの要因
第4回│未病はどのように回復するのか ― 体の回復力が働く条件
第5回│健康とは何か ― 調和という視点から
第6回│生活の中の健康 ― 心と体と生活が整うとき
第7回│整い続ける健康 ― 健康を「流れ」として生きる

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