私たち一般社団法人漢方未病教育振興協会は、上記のミッション・ビジョンを支える5つのバリューを掲げています。これらは、伝統に根差しつつも未来を見据え、「いのち」そのものへの深い敬意と智慧が息づいたものです。
1. 深く理解する:知の深淵を究める姿勢
このバリューは、常に本質を問い続ける知的好奇心と、表面的な現象に惑わされない洞察力を養うことの重要性を示しています。全ての学びと実践の礎となる、最も根源的な問いかけです。
漢方未病の考え方を深く理解する:単なる知識の習得に留まらず、その哲学的背景、歴史的文脈、そして現代における意義を多角的に捉える姿勢を示すものです。伝統的な知恵が現代にどう活きるかという、時を超えた普遍性を追求する探求心を大切にしています。
健康について深く理解する:健康を単なる「病気ではない状態」と捉えるのではなく、心身の調和、社会との関係性、自然との共生といった多層的な視点から考察する、東洋医学ならではのホリスティックな視点が凝縮されています。
生(いのち)について深く理解する:これは、漢方未病医学の根本的な目標であり、「いのち」への畏敬の念と、その本質を見極める洞察力を養うことを示唆しています。この深い理解が、真の「生を支える」実践へとつながります。
2. 生(いのち)の力を信じる:内在する可能性への信頼
このバリューは、外からの治療だけでなく、内なる力を引き出すことが真の健康への道であるという、伝統的な知恵と未来志向的な自己実現の精神が融合したものです。漢方未病医学が大切にする、人間が本来持っている自然治癒力や適応能力への深い信頼を表明しています。
修復する力を信じる:身体が自らを癒す内在的な能力への信頼です。未病の段階で介入することで、この修復力を最大限に引き出すという、漢方未病医学の考え方がここにあります。
成長する力を信じる:人間は常に変化し、成長し続ける存在であるという、生命のダイナミズムを肯定する視点です。肉体的な成長だけでなく、精神的な成熟、そして新たな可能性を切り開く創造性をも含意しています。
創造する力を信じる:単に既存のものを維持するだけでなく、自らの手でより良い未来を築き、新しい価値を生み出す力への信頼です。伝道者自身が、そして彼らが支える人々が、主体的に「いのちが輝く未来」を創造していくという考え方が込められています。
3. 未病を治す:未来を見据えた予防と質の向上
このバリューは、漢方未病医学が未来の医療と社会のあり方を示す役割を担っていることを表しています。当協会の核心をなす、実践的かつ未来志向的なバリューです。
病気になる前に治療する(疾患予防):病気になってから治療することが主流の現代医療において、未病という概念を普及させることで、医療費の抑制や社会全体の健康レベル向上に貢献することを目指しています。
生活の質・人生の質が向上する:単に病気を「治す」だけでなく、その人の生活全体、ひいては人生そのものを豊かにするという、漢方未病医学の包括的なアプローチを示しています。健康寿命の延伸だけでなく、その中身の充実を重視する考え方です。
健康寿命が延伸する:現代社会が直面する超高齢化社会における課題への貢献を目指します。病気と共存するのではなく、生き生きと活動できる期間を延ばすことの重要性を強調しています。
4. 優しく思いやる:人間関係の基盤となる共感
このバリューは、医療行為を超えた人間同士の温かい交流、そして深い信頼関係の構築の重要性を示しています。伝道者として、人々と深く関わる上で不可欠な、人間性豊かなアプローチを示すバリューです。
あるがままを受け入れる(批判しない):相手を尊重し、その多様性を認めるという、深い受容の精神です。批判ではなく理解から入る姿勢は、信頼関係を築く上で重要であり、東洋的な「和」の精神に通じるものがあります。
共感的に理解する:表面的な言葉だけでなく、相手の感情や背景、そして「いのち」の叫びに耳を傾ける姿勢です。これは、個々人に合わせた未病治療の基盤となります。
主体性を尊重する:治療や養生において、最終的に選択し、実践するのはその人自身であるという認識です。伝道者はあくまで「支える」存在であり、人々の自律性を促すことが真の支援であるという考え方です。
5. 共に成長する:共創と相互啓発の精神
このバリューは、伝道者という役割が、一方的に教え導くものではなく、共に歩み、共に高め合う「共育」の精神に基づいていることを示しています。当協会が目指す、学びと実践のコミュニティ形成における、相互作用の重要性を強調するバリューです。
自分の可能性を信じる:伝道者自身が、自己の成長と発展を信じ、常に向上心を持つことの重要性を示しています。この自己信頼が、他者を導く上での自信となります。
相手の可能性を信じる:伝道者として関わる全ての人々、そして共に学ぶ仲間たちの可能性を信じる姿勢です。この信頼が、人々の潜在能力を引き出し、自律的な成長を促します。
成長を助け合う:個人主義に陥りがちな現代において、共に学び、支え合いながら高め合っていくという、伝統的な共同体の知恵を未来に繋ぐものです。当協会のネットワークが、この相互扶助の精神で機能することを目指しています。
これらの5つのバリューは、「深く理解する」という知の探求から始まり、「生(いのち)の力を信じる」という根源的な信頼、そして「未病を治す」という実践的な行動へ。さらに、「優しく思いやる」という人間的な温かさを持ち、「共に成長する」という共創の精神で結びつく流れとなっています。
この流れは、漢方未病伝道者としてのあり方を、多角的かつ段階的に示しており、伝統的な智慧と、現代そして未来が求める価値観が調和したものです。